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印刷の基本・応用

印刷の基本vol5 こだわりのある印刷物を作るには?ネット印刷にはない普通の印刷会社の強みとは!

みなさんこんにちは!ノーブです。

印刷の基本vol.4でははネット印刷が安い理由を説明しましたが価格では到底ネット印刷に太刀打ちできない、印刷会社はどうやって事業をしているのでしょうか?それは印刷会社にも各々強みがあるからです。ではその強みは例えば何でしょうか?

ネット印刷と違い、普通の印刷会社には大勢の営業マンがいます。その営業マンはお客さんと打ち合わせを繰り返し、ご要望を聞いて、校正をお届けして、間違いがないか確認を行いながら、印刷物を完成します。

この営業マンの日々の活動がネット印刷との大きな違いです。例えば、色調、サイズ、用紙の種類、用紙の厚み、ページ数、表裏関係など様々です。細かいことを言い始めると数えきれないほどのトラブル要因が印刷業界にはあります。

今回は普通の印刷会社に頼む最も大きな理由として考えられる「色調」について説明しましょう。例えば、絵本を印刷する場合、営業マンは原画を持ち帰って、現場で撮影もしくはスキャニングをして、原画に限りなく近い色調で再現されるようにデータチェックを行います。

データチェックを終えたデータで「色校正」と呼ばれる試し印刷をおこないます。「色校正」には種類があり「簡易色校正」と「本機色校正」があります。

「簡易色校正」は大判のインクジェットプリンターを使って、印刷結果を擬似的に再現する校正の事をいいます。実際の印刷機を使った印刷と比較すると色調は若干違いますが、データ不備がないかなどの確認ができます。

「本機色校正」とは実際に印刷予定の印刷機と用紙を使用して試し印刷をした校正の事をいいます。実際の印刷機と用紙を使用するのでデータ不備の確認はもちろんですが、最終的な色調の仕上がりも確認できます。「本機色校正」をお互いに確認しながら「もう少し肌の色を明るく」や「もう少し青を濃く出す」など細かい指示を出します。写真集などでは、ここで「お腹の贅肉を取る」や「アゴをもう少しシャープに」などの指示も飛び交います!

「簡易色校正」「本機色校正」をお客さんが最終確認をしてOKとなると「校了」となり「簡易色校正」「本機色校正」が「校了紙」と呼ばれる最も重要なアイテムになります。本番の印刷工程ではこの「校了紙」が印刷工程と常に一緒に回ります。印刷現場では「校了紙」がない物は絶対に印刷しません。「校了紙」がないとせっかく合わせた色調が崩れてしまい、意図しない印刷物が出来上がって大変な印刷事故になってしまうからです。

このように、印刷会社ではさまざまな配慮がなされて、大勢の人が携わり印刷物が完成します。ネット印刷ではここまでの配慮は難しいです。このように、普通の印刷会社には各々付加価値があり、お客さんから信頼されている為、ネット印刷とは対抗しない市場で日々頑張っているのです。

いかがでしたか?ネット印刷の価格には太刀打ちできないけど、大勢の人が携わって綺麗な印刷物が出来上がるのは印刷会社の醍醐味です。こだわりのある印刷物を作りたい場合はネット印刷ではなく、普通の印刷会社の利用をオススメします。多少高いですが、仕上がりの美しさにきっと満足することでしょう。