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ノーブが営業マンになるまでのノンフィクション

営業マンへの道(第二十四話)

前回までのあらすじ

「。。。。。。すみません。。。。。。」野田が下を向きながら震えた声で応えた。

「まずは斎道さんに謝れや!!」

すると、野田の足元にポツンポツンと水玉が。。。泣いている。。。

しまった!!泣かしてしまったぁ〜〜〜〜!!!

第二十四話
現場が原稿を寝かせていた事によってポンポンの提出納期が間に合わない事が確実になった。

ひとまずノーブは斎道に謝罪の電話をした。

「斎道さん。申し訳ありませんでした。僕の管理不足でした」変なワキ汗をかきながら謝罪するノーブ

「あ〜〜。。。。。。。。。。。」しか言わない斎道

「あの〜、大変恐縮ですがデータはいつ頃貰えそうですか?」恐る恐る聞くと

「しらん!きたら電話するわ!」

ガチャン!!

隣で野田はじっとノーブのことを見守っていた。今回のことで少しは責任を感じているらしい。

ここで挫けていたらダメだ!ここで挽回すれば大目に見てくれるはずだ!

「野田行くぞ!」

「はい?」

そう言うとノーブは野田を連れて現場に走った。

現場に頭を下げる?!

2階まで走って降りたノーブと野田。

見渡して工場長を見つけ駆け寄る二人。

「工場長ぉ!お願いがあるんすけど!」

「あんだよ?」明らかに機嫌が悪い工場長

「今日17時納期のポンポンがあるんすけど、さっきレイアウトデータが開かないって現場から言われて、今取り寄せてるんですけど、届いたら最速でお願いしたいんですけど!」

「無理だな」一蹴する工場長

「そこをなんとか!」頭を下げるノーブ

(そもそも現場が寝かせていたことが原因だろと言いたかったがグッと堪えた)

「今K印刷といい関係が築けてて、この調子でいけばまちがいなく売上が増えるんですよ!お願いしますよ!」10分ほど粘ると

「ホントに売上増えるんだろうなぁ?」

「はいっ!絶対!」

「よしわかった!いつ頃データもらえるか分かったらすぐに連絡しろ!」

「あざっっす!!」ノーブと野田が頭を下げた

二人は営業フロアまで戻りノーブはタバコを吸い始めた。

すると野田が聞いてくる

「あの〜、俺が納期確認しなかったのも悪いのかもしれないですけど、そもそも現場が寝かせていたのに、なんで俺たちが頭下げないといけないんすか?なんか納得いかないんですけど。。。」

ノーブはタバコを咥えながら答えた

「野田、よく聞け。正直俺も納得いかねぇ。でもな、現場とケンカしたら仕事をやってくれなくなる。現場にやってもらわないと俺たち営業は何の意味もなくなるんだよ。だからぐっと堪えろ。これも営業の仕事だ。」

野田は何も言わなかったが、何かを悟ったようだった。

その後、データを17時に入手し現場に届けると23時に上がり、ノーブと野田が斎道の元へ届けた。

「遅くなって申し訳ございません!!」ノーブと野田は深々と頭を下げた。

「おせぇ〜よ!!」相変わらずのテンションで原稿を受け取り、K印刷の営業フロアへ向かった斎道だったが突然振り向いた。

「またな!」そういうと斎道はズカズカと歩いていった。

ノーブがホッと見守っていると

「意外といい人なんすね!」と野田

「だろ」

野田に変化が

その後の野田は劇的に変化した。現場への確認を一切怠らなかった。そのお陰もありその後は納期遅れはほぼ無くなった。

しかもあんなに斎道のことを恐れていたのに気がついたら打ち解けてやがる。それだけじゃない。俺が相性悪かった担当者ともうまくやってやがる。

「や、やるじゃねーか」ちょっと悔しいが、喜んでいたノーブだった。

 

それからというもの、ノーブと野田はうまく連携し着実に売上を伸ばしていった。

そしてちょうど印刷業界がバブル時期だった事もあり、会社全体の売上も上々だった。

今では考えられないが仕事が溢れていて、担当と仲良くなれば黙ってても仕事がくるような状況だった。

順調に売上も伸び、野田もある程度一人でこなせるようになり、ノーブも入社して2年半が経過して新年度を目前に恒例の社長面談が行われた。

「ノーブ相変わらず頑張ってるね!実は会社の体制を大きく変える事になったのだよ」

「ありがとうございます。えっ?どう変えるんですか?」

「事業部制度を導入することになった。会社全体を5つの事業部に分ける。各事業部ごとに現場体制をつけて新入社員も大勢入れるから売上も上がるだろう。」

「へぇ〜!すごいですね!ますます会社も大きくなりますね!」

「そうだ!そこでノーブ!お前には第2事業部長として頑張ってもらいたい!」

「・・・・・・・・・・・・・えええええええええええええ???」

つづく。。。