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ノーブが営業マンになるまでのノンフィクション

営業マンへの道(第二十三話)初めての部下がとんでもないことを。。。

前回までのあらすじ
ノーブに初めての部下ができて、早速K印刷に挨拶しに行ったが斎道の迫力にびびる野田。大丈夫かぁ〜?

第二十三話
野田を初めてK印刷へ連れて挨拶に行ったが斎道の迫力にいきなり圧倒された野田だった。大丈夫かよと心配したが、コイツがある程度仕事ができるようにならないとノーブ自身もさすがに体がもたない。。。

最初は基本を覚えてもらう為にK印刷の仕事で月刊ポンポンの担当をさせた。野田も知っている全国的に有名な月刊誌だったので野田も嬉しそうだった。。。

野田の初めての仕事は月刊ポンポン

斎道は多少口は悪いけれど、野田には慣れてもらわないと安定して仕事を増やす事ができない。ポンポンは口絵の数ページだけの仕事だったので売上的には大した数字にはならないけど、一通り基本的なノウハウを必要とする案件だったので経験のためにも良い案件だったし、なによりも斎道に慣れてもらうにも良い機会だった。

早速、ポンポンの原稿をK印刷へ引き取りに行った野田は淡々と原稿を現場へ手配した。絶対に原稿を見て何らかの質問が来ると思っていたノーブだったが、すんなり原稿を手配したから意外とコイツできるんじゃ!と思った。

それから数日後、現場から野田に内線があった。野田は「はい。分かりました。手配します。」と受け答えをし、その直後にどこかへ電話をしていた。

淡々と仕事をこなしている野田を見て、「コイツ意外と大丈夫そうだな」と安心したノーブは一服をしに喫煙室へ向かった。他の喫煙仲間と談笑しながらタバコを吸っていると携帯が鳴った。K印刷の斎道だ。「新規案件の相談かな?」と思い電話に出た。

「はい!ノーブです!」

「おいっ!!!ノーブ!!!お前舐めてんのかぁ〜!あ〜〜〜っ?!!」

!!なに??斎道がキレてる!俺なんかやらかしたか?何があったんだ?一瞬パニックになったノーブ。何で斎道がキレてるのか全然分からない。。。

「すみません!なにかありましたが?」恐る恐る聞き返したノーブだった。

「何かありましたか?じゃねーよ!ポンポンだよ!どういう事だ?あ〜ん??まともな仕事しね〜と、もうオメェのとこには出さねぇからな!」

ガチャン!!

一方的に電話が切れた。。。

ポンポンに何が起きた?!

ポンポンでなにかあったという事だけは分かった。野田の席まで走った。

ノーブは息を切らしながら「ポンポンで何かあったのか?」と野田に聞いた。

すると野田は「斎道さんにポンポンのレイアウトデータが開かないので再度くださいとお願いしたら、あ〜?って言われて電話切れたんですよ〜。なんなんすかね〜?」と淡々と応えた。

「そのポンポンの納期はいつ?」と聞いたノーブは冷たい汗が背中を流れるのを感じた。

「今日の17時ですけど。。。」

やられた!!ミスった!!ノーブは愕然とした。

今日の夕方納期の案件で、当日になってレイアウトデータが開かないのが発覚した。レイアウトデータが開かないから作業ができない。

「今日の17時に間に合うと思うか?」とノーブは少し震えた声で野田に聞いた。

「どうなんすかね。。。現場から間に合わないって連絡がないから間に合うんじゃないっすか?」

。。。。。。。。。。。。。。。

少しの沈黙が流れた。

「このタイミングで斎道さんにデータを再度支給して欲しいって言って、斎道さんはどうすると思う?」とノーブが聞いた。

「K印刷の営業にデータを再度支給するようにお願いすると思います」と返す野田。

「だよな。。。んでその後は?」

「出版社へお願いして再度支給するようにお願いするんじゃないっすか?」の返す野田。

「だよな。。。んでその後は?」

「K印刷の営業が出版社へデータを取りに行きます」と返す野田。
※当時はネット環境が整っていなかったのでMOを直接取りに行く時代だった。

「だよな。。。んでその後は?」

「K印刷の営業が引き取ってきたデータを斎道さんに。。。」

「だよな。。。何か気づかないか?」怒りが込み上げてきたノーブ。。。

「え??。。。何がっすか?。。。。。。。。。あっ!」ようやく何かに気づいたようだ。

「あっ!じゃねーだろうがぁ〜!!」フロア全体をノーブの怒声が響いた。

「どうやっても納期に間に合わね〜だろうが!!ちょっと考えれば分かる事だろうが!しかも、なんで納期当日なんだ!原稿貰ってから数日経ってんじゃねーか!現場が寝かせてた証拠だろうが!!」

※当時の現場は納期だけを確認して、納期ギリギリになってから原稿を確認する事が多く、結果として納期に間に合わない事が多々あった。だから野田には現場を信用しないで、納期の前日、前々日には必ず現場に納期確認をするようにと何度も教えていた。

「。。。。。。すみません。。。。。。」野田が下を向きながら震えた声で応えた。

「まずは斎道さんに謝れや!!」

すると、野田の足元にポツンポツンと水玉が。。。泣いている。。。

しまった!!泣かしてしまったぁ〜〜〜〜!!!

つづく。。。