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印刷市場が低迷する中、印刷会社の営業マンが仕事を増やす為にするべきこと!

印刷市場が1991年の8.9兆円から年々減少し、2016年時点で5.3兆円まで縮小している中、印刷会社は売上の確保に躍起になっています。印刷会社の営業マンは売上を確保する為に日々営業活動をしているけれど、印刷業界が縮小している中での売上確保は非常に厳しいものです。

私も印刷会社の営業マンとして十数年働いていました。1990年代後半ぐらいまでは印刷市場のピークだったということもあり、受注活動も活発でしたが2000年代に入り出版社の業績も悪化し、出版物が減少し、印刷市場全体が下降しはじめました。

印刷市場の70%を上位10社で占めている

この頃から、印刷会社は市場の縮小に危機感を抱き、印刷会社の営業マンは売上を確保するために奔走することになりました。印刷市場のシェアは、凸版印刷、大日本印刷の2社で印刷市場全体の50%以上を占めています。また、上位10社で市場全体の約70%を占めていています。残りの1.6兆円の市場を全国3万社以上もある印刷会社が取り合っている、とても偏った市場になっています。

印刷会社は受注生産業

印刷会社は基本的には受注生産業で、お客さんに言われた仕様のものを作るという業界です。その為、発注社は数社の印刷会社に見積を依頼し、一番安いところへ発注するという流れが主流です。結果が同じであれば、安いところへ発注するのは当たり前ですよね。その結果、印刷会社は競合他社との価格競争を繰り返すことで、市場単価をますます押し下げ、日本国内の印刷会社は税引後利益率が平均1%台という低水準となっています。

印刷会社が生き残る為には

このようにマイナス要素しかない印刷市場の展示会、講演やコンサルタントから良く聞く言葉が「電子書籍や自動組版や印刷事業で培ったナレッジで新たな製品開発をすることで生き残ろう」などですが、残念ながら3万社ある競合他社も同じことを言われ同じことを試みます。これでは、同じ事業をしている印刷会社が他にも生まれ、生き残りには繋がりません。では印刷会社は生き残る為にはどうすれば良いのか?

  • 自社の強みに特化し、応用する
  • コンサルタントになる

この二つのどれかに舵取りをするしか印刷会社に生き残る道はありません。とある印刷会社の事例ですが、絵本の印刷が得意な印刷会社がありました。原画を撮影し、原画の色調に忠実に再現できる印刷技術をお客さんはとても高く評価していました。この印刷会社はこの印刷技術を他の業態に応用できないかと考え、美術館や絵画展に、美術品に忠実な印刷物を提供しようと営業活動のターゲットをシフトしました。するとこの印刷物はとても高く評価され、他の美術館からの仕事も増えました。

もうひとつ、事例を紹介します。関東60箇所に店舗を持つ組織と取引をしていた印刷会社の営業マンがいましたが、お客さんから認知度を高めて売上を増やしたいけどどうしたら良い?と相談を受けました。印刷会社の営業マンは現在の事業内容を分析し、宣伝物やWEBサイトなどのブランディングの見直しを提案したところ、お客さんの売上は前年比20%増となりました。それ以降、宣伝やプロモーションに関することは全て、その営業マンに相談されることになりました。

今回ご紹介した2つの事例は、その印刷会社もしくはその営業マンにしかできないサービスがある為、他社ではなく自社への仕事が増えたと同時に、他社と価格で比較されるようなことは起こりません。

このように、独自の強みを持つことが印刷会社としての生き残る道です。どのような印刷会社でも他社にはない強みがあるはずです。まずは自社の強みを探して活かしましょう!