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ノーブが営業マンになるまでのノンフィクション

営業マンへの道(第十七話)地獄のような日々が始まった

前回までのあらすじ
倉森課長の課への転属が決まって早速取引先のひとつの大手印刷会社へあいさつに行くことになった。怖い人にも一通り挨拶をし、会社に戻る車の中で倉森課長が「ノーブ!お前今日の夜と明日の予定は?」と聞かれ「何もないです」と応えたのが最後。。。「今日はK印刷に下版があるんだよ。徹夜になるから頼むな!」。。。

第十七話
いきなり徹夜と聞かされテンションがガタ落ちのノーブ。倉森課長の課は厳しいとは聞いていたけど、いきなり徹夜なんて聞いてないよ。。。とは言え今更断ったら倉森課長にめちゃくちゃ怒られそうなので、覚悟を決めました。

そもそも下版(ゲハン)とはなんだ?なんで徹夜までする必要があるのか?DTPスクールで多少の知識は身についたものの、下版という言葉は聞いたことがありませんでした。「下版って何ですか?」「ん?なんだノーブ!お前下版を知らないのか?」

下版ってなんだ?

下版とは印刷用の版を作るためのフィルムと校了紙を次の印刷工程の刷版に下ろす工程の事を言います。完成した印刷物用のデータからフィルムを出力するのですが、出力時間が信じられないぐらいに遅い。フルカラーの256ページの雑誌のフィルム出力には1日以上の時間が必要でした。

「今日はとりあえず、俺の下版があるから最後まで付き合って下版の仕方を覚えるんだ」と言われました。それまで遅くまで会社に残ることがなかったノーブでしたが、自分以外にも結構多くの営業マンが遅くまで会社に残っているのが初めて分かりました。

遅くまで残っている営業マンが他にも

みんな遅くまで頑張っているんだなと感心しながらも待っていました。22時を過ぎた頃には翌日までに終わらせる必要がある仕事は一通り終わり、あとは待つだけ。他の営業マンも帰り始め、23時を過ぎた時点で残されたのは倉森課長とノーブ含め三人になりました。

深夜2時、ようやく完了連絡が

時折現場の検版部隊から問い合わせが来ては確認しに行ったりして気がついたら深夜1時をまわっていました。本当に徹夜になるのかな〜。。。と思いながら待っていると2時ごろになってようやく作業完了の連絡が来た。

現場の点検が終わったフィルムが100枚以上も重なって大きな封筒の中に入っていてめちゃくちゃ重い。これを大きな薄っぺらい「ガバン」と言われるカバンに入れてようやく印刷会社へ下版することができました。

深夜3時に終了!

やっと帰れる!この時点で時計は3時を過ぎてました。「ノーブ!お疲れ!これが下版だ!」毎日下版だったら体が持たないよ〜。。。

「これで一人で下版できるよな?明日も下版よろしく!」

えええええええええええ!明日もかよ〜〜〜!てか、もう今日じゃね〜かよ〜。。。

つづく。。。