1. HOME
  2. ノーブが営業マンになるまでのノンフィクション
  3. 営業マンへの道(第二十話)二人分の仕事
ノーブが営業マンになるまでのノンフィクション

営業マンへの道(第二十話)二人分の仕事

前回までのあらすじ
入社半年で営業主任となり、倉森課長へ昇進報告したところ、一人で頑張れと言われたノーブ。一人??

第二十話
念願の昇進を果たしたノーブだったが、倉森課長から「お前一人で頑張れよ!」と言われ状況が理解できなかったノーブでした。

「いやいや。。。」苦笑「倉森課長が担当していたZメディアもK印刷も俺一人じゃ無理っすよ〜!」去っていく倉森課長を追いかけながら必死に訴えかけました。
「大丈夫だ!Zメディアの仕事は完全データをもらって出力するだけの楽で美味しい仕事だ!お前なら楽勝だろ!」と笑いながら倉森課長は去って行きました。

放心状態のノーブはその場でしばらく立ち尽くしていました。

主任になってもこき使われることになったノーブ

ただでさえ毎月1,000万円の仕事を担当していて、毎日遅くまで仕事をしていたノーブだったのに、倉森課長が担当していた仕事も引き継ぐ事になるとは。。。

Zメディアは当時大手の出版社でフルカラー250ページ以上の書籍を毎月定期的に3〜5冊程度発行していました。当時はMOと呼ばれる媒体でデータをもらい、自社に持ち帰りフィルムを出力して、出力したフィルムをファインチェッカーにかけ簡易校正をとって、それをZメディアへ届ける。届けた簡易校正をZメディアの担当者が校正をし、問題なければ印刷会社へフィルムを下版するという流れの仕事でした。

データを貰って出力するだけで数百万円という売上に繋がるので、当時の業界では「美味しい仕事」と呼ばれる内容でした。「役職が付いて主任になったのに、更にこき使われるのかよ〜」と思いながらもやるしかない状況でした。仕方なく覚悟を決め、ノーブは倉森課長に同行しZメディアへ引き継ぎの挨拶をしに行きました。

さっそくZメディアが動き出す

倉森課長と引き継ぎの挨拶に行ったノーブ。先方の担当者、池浦さんが対応してくださいました。名刺交換などして、一通り挨拶が終わると池浦さんから「早速で申し訳ないのですが、明日新刊の入稿をしたいのですが」と言いスケジュールを手渡しました。明日データを入稿していただき、中1日で簡易校正を提出し、翌日下版というスケジュールでした。

スケジュールを確認し「かしこまりました。ノーブにお任せください」と倉森課長が答えました。唖然としたノーブはZメディアを後にし倉森課長と営業車に乗り込んだところで「倉森課長!大丈夫なんですか?かなり厳しいスケジュールですけど。。。」

「心配するな!データの準備ができたら池浦さんから電話が来るから、データを取りに行って、もらったデータを工場長にそのまま渡せば勝手に簡易校正をあげてくれるから大丈夫だ!」若干不安を抱えながらも美味しい仕事の部類なのでなんとかなるとノーブは思っていました。

いよいよ入稿当日がやってきた

翌日、ノーブは川浦さんに電話しました「池浦さん、入稿のご連絡お待ちしておりますのでよろしくお願いします!」「ノーブさん。お電話ありがとうございます。なるべく早く入稿データを渡せるように頑張りますね!」

電話を切って「なんだ。大したことないな!これなら楽勝で終わりそうだわ」そう思ったノーブは通常通りの業務をこなしながらZメディアからの連絡を待つ事にしました。19時頃になり「あれ?そういえばZメディアから連絡ねーなぁ。。。電話してみるか!」そう言い、電話したノーブ。「今日データ入稿でしたよね?もうデータ取りに行っても大丈夫でしょうか?」と聞いたところ「ノーブさんごめんなさい〜。。。もう少しかかりそうなんです〜。準備できたら連絡しますから〜」

「もう少しかかりそうなんです〜。」の言葉を聞いてノーブは「分かりました。お待ちしてまーす!」と答えました。あと1時間ぐらいでデータ貰えるだろうと思い、彼女に電話して「20時ぐらいには仕事終わるから一緒に晩御飯食べよう!」と言いました。実はノーブにも彼女がいました。(彼女エピソードについては追々。。。笑)

彼女と晩御飯を食べれると思っていたノーブだったが。。。

さて、Zメディアからの連絡を待っていたノーブでしたが20時になっても連絡がありません。「少し遅れてるのか?しょうがないからもう少し待つか。。。」と言い、引き続き待つ事にしたノーブでしたが20時30分になっても連絡がありません。彼女に一緒に晩御飯食べようと言ってる手前、すこし焦りを感じてきたノーブ。もしかしてすでに連絡くれたのか?という不安から、ひとまずZメディアへ電話しました。「池浦さん、すみません!もしかして連絡いただきました?」「ノーブさんごめんなさい〜。。。もう少しかかりそうなんです〜。準備できたら連絡しますから〜」

電話を切ったあと「なんだよ。。。心配して損したわ!入稿は21時ぐらいかなぁ。。。思ってたより遅くなっちまったな、○○ちゃん(彼女)に悪い事したなぁ」と思いながら彼女に遅くても22時ぐらいには帰ると説明して、待機することにしました。

もう少しかかりそうなんです〜

しかし!21時30分になっても連絡がありません。。。少しイライラしながらまたZメディアへ連絡したノーブでしたが「ノーブさんごめんなさい〜。。。もう少しかかりそうなんです〜。準備できたら連絡しますから〜」まじかよ。。。仕方なく待機していると現場の工場長が「おい!ノーブ!Zメディアのデータどうなってんだぁ〜?!とお怒りモードです。「すみません!なんども確認しているのですが、もう少しと言っていたのでもうちょっと待ってください!」「チッ!いつも通りか。。。(ボソッ)」と工場長。。。

少しずつ心配になってきたノーブでした。とうとう23時を過ぎました。さすがにそろそろデータもらわないと、工場長や彼女にも怒られるし電車で帰れなくなる。そもそも納期間に合わねーだろ!と感じたノーブは電話したところ「ノーブさんごめんなさい〜。。。もう少しかかりそうなんです〜。準備できたら連絡しますから〜」

それとまったく同じセリフ19時から聞いてるぞぉ〜!こらぁ〜!

つづく。。。