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ノーブが営業マンになるまでのノンフィクション

営業マンへの道(第二十一話)荒れるZメディア

前回までのあらすじ
Zメディアを引き継いで早速仕事が動き始めるが、不穏な動きが見え始める。。。

第二十一話
Zメディアからの新刊のデータ入稿を待っていたノーブ。夕方頃には入稿するかと思っていたが、19時、20時半、21時半、そして23時。刻々と時間だけが過ぎ、何度電話しても自動音声のように「ノーブさんごめんなさい〜。。。もう少しかかりそうなんです〜。準備できたら連絡しますから〜」の返答が繰り返されるだけだった。。。

そういえば、さっき工場長が「チッ!いつも通りか。。。(ボソッ)」と言っていたのを思い出した。これは嫌な予感しかしない。そう思ったノーブは間も無く深夜0時になる時計を見て覚悟を決めた。

もう電車もないし、会社に泊まり込みだな。。。彼女へ連絡し謝罪をしたノーブだった。

深夜0時を過ぎても。。。

0時を過ぎた時点である程度の覚悟を決めたノーブだった。「さすがに2、3時ぐらいにはデータ準備できるだろう」23時に電話したばかりだし、一応客だからしばらくこっちから電話しないで待ってようと決意したノーブ。

いい加減腹が減ってきたのでコンビニ弁当を食べ、時間を潰していた。気が付くと机で眠ってしまったノーブ。。。時計を見ると深夜2時を回っていた。「やべっ!寝ちまった!ん?でも電話が鳴れば絶対に目が覚めるはずだけど。。。まさか!」

いやな予感がして、すぐに電話をした!「ぷるる〜・・・ぷるる〜・・・」だれも出ない!

まさか!帰りやがったか!?

と殺意を抱いた瞬間だった。「はい。Zメディアです。。。」ようやく池浦さんが電話口に出た!ほっとし「あの〜、入稿準備っていかがですか?」恐る恐る聞いてみた。「あと1時間ほどで準備できると思いますよ〜」

自動音声じゃない!!

「ありがとうございます!かしこまりました。準備できましたら、改めて電話ください。」ようやく終わりが見えてホッとしたノーブだった。あと1時間なんてすぐだ!と思った!。。。1時間が経過した。。。更に10分経過した。。。またかよ!と思った時だった。深夜の事務所で電話が鳴った!勢いよく電話に出たノーブ。「ノーブさんお待たせしました!データの準備ができましたのでよろしくお願いします〜」時計を見ると3時をとっくに回っていた。

ようやく!!

「工場長!!準備できたそうなのでこれから取りに行ってきます!」・・・・「おう」と一言だけ返ってきた。ノーブは急いで車に乗り込みZメディアへ向かった。

Zメディアに到着し、受付で電話をすると大きな紙袋を持ったヒゲ面の池浦さんが出てきた。。。紙袋の中にはプリントが300枚ほどと、MOディスクが20枚程入っていた。ズッシリだ。

「予定の入稿データです〜。よろしくお願いします!」と普通に言ってくる。。。「遅くなってごめんなさいとかねーのかよ!」とイラッとしたノーブだったが「ありがとうございます。それでは中1日の明後日に・・・」

ん?

ちがう!!

日付はとっくに変わっている!もう明日には簡易校正を届けないといけないんだ!

やられた!

会社に戻ると、時は既に4時を回っていた。工場長へ急いで原稿を差し出すと何も言わずに受け取った。。。感情が一切ない。怖い。。。

でも、これでやっと帰れる!ノーブは達成感で満ち溢れた。工場長には悪いけど、帰るぞ!「工場長!よろしくお願いします!お先に失礼します!」と工場長の背中へ向け大声で言い、会社を後にしようとした。

すると「おい!ノーブ!折丁が入ってねーぞー!」

「えっ?折丁って俺が作るんすか?」震えながら答えたノーブ

「当たり前だろ!!」

聞いてない!!渡すだけで良いって言われてたのに〜〜!!

その日、ノーブが家に着いたのは朝6時30分を過ぎた頃だった。。。

つづく。。。